家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)は、2019年10月10日、東京都千代田区の衆議院第二議員会館で第2回総会を開催しました。13の加盟団体の代表、個人会員13名、オブザーバー4名など約40名が出席し、活動報告・方針、規約改正案、理事・監事の選出、財政報告など6議案が全会一致で可決されました。
開会にあたり挨拶した一反百姓「じねん道」の斎藤博嗣氏は、「現在の農業、農村、農政は瀕死の状態。家族農林漁業を第一にした社会のグランドデザインをすることが、気候変動の防止やSDGsの実現につながるはずです」と訴えました。
第1号議案で活動の経過を報告した農民運動全国連合会の岡崎衆史氏は、各地での学習会への参加や、関連省庁、国際機関、団体との連携、家族農林漁業プラットフォーム・和歌山など地方での動きについて報告するとともに、ナショナル・アクション・プラン(国内行動計画)について2020年2月末までに一定の取りまとめを行い、国が審議している「新たな食料・農業・農村基本計画」に反映させていくことを呼びかけました。
第2号議案の今後の活動方針では、趣意書に記載された、1)家族農業の10年に関する啓発活動、2)政策提言・政府との対話、3)ナショナル・アクション・プランの策定、4)モニタリング、5)国際動向の情報共有、6)国際社会への発信、その他必要な事業を行うことを提案。会員からは、「国際的なネットワークの強化を」「組織の発展の位置付けを」「消費者など様々な人とも関わりを」などの意見が出され、それぞれ取り組んでいくことを確認しました。
第3号議案では、世界農村フォーラム(WRF)が各国に組織することを呼びかけた家族農業全国会議(NCFF)に家族農林漁業プラットフォーム・ジャパンを登録することを提案。愛知学院大学准教授の関根佳恵氏は「国際動向に関する情報提供を受けられ、国際的ネットワークの強化につながる」と説明し、NCFFに登録することが承認されました。
第4号議案では、規約改正案および役員選出方法について提案。10年後に組織のあり方について意見を交換しましたが、現時点では明記せず、今後検討することとしました。
第5号議案では、理事および幹事の選出を行い、事務局案が承認されました。
第6号議案では、財政報告が行われ、今後は総会で予算計画を報告することを確認しました。
閉会にあたり挨拶した公益社団法人全国愛農会会長の村上真平氏は、「国連は、SDGsを達成するには、家族農業の10年の目的を達成することなく成しえないとしています。このことに多くの人たちが気づき、社会を平和で持続可能なものにしていくということを理解する必要があります。このプラットフォームに多くの人々に関わっていただき、皆さんと一緒に取り組んでいきたい」と決意を述べました。
第2回総会議案
第1号議案:主な活動についての報告(PDF)
第2号議案:今後の活動方針(趣意書の改正)
第3号議案(追加):FFPJのNCFF登録案(PDF)
第4号議案:規約改正案および役員選出方法
第5号議案:理事および監事の選出
第6号議案(追加):財政報告
総会後に開催された学習会では、愛知学院大学准教授の関根佳恵氏を講師に、家族農業の10年の世界行動計画(グローバル・アクション・プラン)について学習し、当面の活動内容となる国内行動計画(ナショナル・アクション・プラン)の作成に向けた意見交換を行いました。
同日開催した第1回理事会では、代表、副代表、常務理事の選出を行い、全会一致で可決。事務局を農民運動全国連合会とすることを決定しました。また、今後の活動についての意見交換を行いました。
第2回総会および第1回理事会で選出された役員と事務局
代表
村上真平(公益社団法人全国愛農会)
副代表
二平章(JCFU全国沿岸漁民連絡協議会)
上垣喜寛(特定非営利活動法人自伐型林業推進協会)
常務理事
池上甲一(近畿大学名誉教授)
市村忠文(全日本農民組合連合会)
大江正章(特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター)
川島卓(特定非営利活動法人21世紀の水産を考える会)
久保田裕子(特定非営利活動法人日本有機農業研究会)
斎藤博嗣(一反百姓「じねん道」)
関根佳恵(愛知学院大学准教授)
吉川利明(農民運動全国連合会)
理事
小山昌英(特定非営利活動法人秀明自然農法ネットワーク)
齋藤融(スローフード横浜・鎌倉)
監事
国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(担当者未定)
野川未央(特定非営利活動法人APLA)
事務局
農民運動全国連合会
村上真平(公益社団法人全国愛農会)
関根佳恵(愛知学院大学准教授)
斎藤博嗣(一反百姓「じねん道」)
岡崎衆史(農民運動全国連合会)