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2021年5月に農林水産省は「みどりの食料システム戦略」を発表しました。2050年までに農薬の使用量(リスク換算)を半減し、化学肥料の使用量を3割削減し、有機農業の面積を農地の25%(100万ヘクタール)に拡大する等の目標が盛り込まれ、農業関係者は大きな驚きをもって受け止めました。気候変動や生物多様性の喪失等の環境問題に対応するために、現行の農業のあり方を変えるという意味では歓迎する声もあがっていますが、その政策決定の方法や具体的な政策メニュー等には違和感や疑問を持つ人も少なくありません。
こうした状況の中、農山漁村文化協会(農文協)は2021年9月にブックレット『どう考える?「みどりの食料システム戦略」』(定価1,100円+税)を発刊しました。執筆者は、有機農業や自然農法に取り組む農家、農業協同組合、有機学校給食を推進する自治体職員、有機農産物・食品の流通関係者、研究者等の25名に及びます。FFPJ代表の村上真平さんの「『有機農業』という言葉からこぼれ落ちるもの―「自然の森」に学ぶ持続可能な農業のあり方」、FFPJ団体会員「NAGANO農と食の会」の吉田太郎さんの「『みどり戦略』のお手本?EUの『Farm to Fork(農場から食卓まで)戦略』とはどこがちがう?」、FFPJ常務理事の関根佳恵さんの「有機公共調達をめぐる世界の動きに学ぶ―ブラジル、アメリカ、フランスの給食改革から」等も所収されています。ぜひ、学習会等にご活用頂ければ幸いです。
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