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持続可能な未来へ【家族農林漁業マガジン第25号】

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持続可能な未来へ【家族農林漁業マガジン第25号】を2024年12月8日に発行しました。

家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)とは

国連の呼びかけに呼応して、2019年6月に設立した市民団体です。国連「家族農業の10年」の行動計画を普及・啓発するため、国内における家族農林漁業を中心とした食料・農業・農村関連政策を提言し、国際社会が目指す「持続可能な社会の実現」に寄与する活動を行なっています。(FFPJはFamily Farming Platform Japanの略です)

メニューはこちらです。

1. FFPJ連続講座 12月20日に「アグロエコロジーが拓く未来:『酪農危機』の打開に向けて」開催

2. 第34回講座 「農地を守るとはどういうことか? 欧州ドイツ語圏諸国、中国と日本の取り組みを比較する」の記録を掲載

3. 9月のオンライン講座「編著者と語るシリーズ第4弾 ほんとうのエコシステムってなに?漁業編 日本の漁業と魚の世界を知る」記録も掲載

4. 速報 2月に食料・農業・農村基本計画めぐりシンポを予定

5. 本の紹介『アグロエコロジーへの転換と自治体—生態系と調和した持続可能な農と食の可能性—』

6. 本の紹介『基本解説:そうだったのか。SDGs2025—誰一人取り残さない、我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダから、日本の実施指針まで—』

7. 本の紹介『小農経済が変える食と農ー労働と生命の再生産ー』

◆ つながりカフェテリア さまざまな団体の情報から

(1)農林水産政策研究所シンポジウム「EUと日本の環境保全型農業政策と持続可能な農業の実現」

(2)食の未来を考える連続講座・第3弾

(3)田んぼ2030プロジェクト ミニフォーラム「農地の生物多様性の回復を図る−農業基本計画改訂に向けた議論」

(4)農業懇話会「持続的な乳肉生産にむけた牛からのメタン削減」

(5)第3回「自伐型林業・移住マッチングフォーラム」

◎編集後記

1. FFPJ連続講座 12月20日に「アグロエコロジーが拓く未来:『酪農危機』の打開に向けて」開催

家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)が毎月開いているオンライン講座の第35回講座は、北海道大学農学研究院准教授の清水池義治さんを講師に「アグロエコロジーが拓く未来:『酪農危機』の打開に向けて」と題して12月20日(金)19:30ー21:00に開きます。

過去40年で最も厳しいといわれる「令和の酪農危機」の特徴や背景の分析を通じて日本の酪農が直面する課題を明らかにし、アグロエコロジー的転換の方向性や社会が果たす役割などについて提起します。北海道で自治体の支援もうけながら行われているアグロエコロジーへの挑戦についても触れていただく予定です。

なお、1月に予定の第36回講座も酪農問題で「マイペース酪農」の実践者を講師に迎えます。こちらもご期待ください。

タイトル:「アグロエコロジーが拓く未来:「酪農危機」の打開に向けて」

日時:12月20日(金)19:30ー21:00

講師:清水池義治さん(北海道大学農学研究院准教授)

開催方法:オンライン

定員:100人

参加費:無料

申し込み締め切り:12月18日(水)

◎講師の詳しいプロフィールやお申し込み方法は以下のFFPJのウェブサイト

をご覧ください。

ウェブサイトの下方に「参加お申し込み」(緑地に白抜き文字)とあります

ので、クリックしてお申し込みください。

2、第34回講座 「農地を守るとはどういうことか? 欧州ドイツ語圏諸国、中国と日本の取り組みを比較する」の記録を掲載

FFPJ第34回講座「農地を守るとはどういうことか? 欧州ドイツ語圏諸国、中国と日本の取り組みを比較する」が10月18日に開催されました。講師は楜澤能生さん(早稲田大学法学部教授)。講座では、「土地の商品化」について世界史を遡って解説するところからはじまり、日本の戦後農地改革、農地法の耕作者主義、食料・農業・農村基本法と農地関連法の改正まで、ヨーロッパ諸国との比較も交えながら取り上げられました。

講座の記録や動画は下記からご覧ください。

3.9月のオンライン講座「編著者と語るシリーズ第4弾 ほんとうのエコシステムってなに?漁業編 日本の漁業と魚の世界を知る」記録も掲載

第33回講座 編著者と語るシリーズ第4弾「ほんとうのエコシステムってなに?漁業編 日本の漁業と魚の世界を知る」が9月20日に開催されました。パネリストは二平章さん(FFPJ副代表、JCFU全国沿岸漁民連絡協議会事務局長)、川島卓さん(FFPJ常務理事)、田口さつきさん(農林中金総合研究所主任研究員)でした。

講座の記録は以下です。

4.速報 2月に食料・農業・農村基本計画めぐりシンポを予定 

「食料・農業・農村基本法」の成立を受け、現在、農水省では今後5年間の施策についての基本計画の改定を検討しています。来年3月末までに新たな基本計画が作られるのに対し、FFPJではこれまでも提言を行ってきましたが、2月下旬に提言や意見交換を行うシンポジウムを計画しています。日程等は現在検討中ですが、特に、農水省の試算では2030年に半減すると言われている農業の担い手問題を中心に、様々な提案や各地の取り組み報告を踏まえて意見交換を行い、施策に反映されるよう求めていきたいと思います。会場参加の他、オンラインでも参加できるように検討しています。詳細が決まりしだい、ご案内をします。多くの参加をお待ちしています。

5.本の紹介『アグロエコロジーへの転換と自治体—生態系と調和した持続可能な農と食の可能性—』

2024年10月に(FFPJ)の常務理事の関根佳恵さん(愛知学院大学・教授)が編集に携わった『アグロエコロジーへの転換と自治体—生態系と調和した持続可能な農と食の可能性—』(自治体研究社)が出版されました。「生態系と調和した持続可能な農と食のあり方として、世界中から注目されているアグロエコロジー。この農と食のシステムに関する科学・実践・社会運動の広がりを紹介し、四半世紀ぶりに改正となった日本の「食料・農業・農村基本法」も分析。併せてフランスの有機給食と公共調達、JAの有機農業、各地で展開されているアグロエコロジーの実践事例を紹介し、食の民主主義を展望する書です。関根さんのほか、FFPJ常務理事の吉野隆子さん(オーガニックファーマーズ名古屋・代表)、FFPJ事務局を担う農民運動全国連合会の長谷川敏郎会長も寄稿しています。

*本書の内容はこちら⇒ https://www.jichiken.jp/book/9784880377742/

6.本の紹介『基本解説:そうだったのか。SDGs2025—誰一人取り残さない、我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダから、日本の実施指針まで—』

2024年10月に一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク編『基本解説:そうだったのか。SDGs2025—誰一人取り残さない、我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダから、日本の実施指針まで—』(一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク)が出版されました。SDGs(国連持続可能な開発目標)の採択から、2024年時点までの各ゴールの進捗状況を専門家が解説。前半7年間の国内や国際、市民社会の取り組み状況も掲載されており、SDGsの詳細と最新課題を学びたい大学生や高校生にとって適切な入門書。国連文章「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の外務省仮訳を専門的見地から一部修正した2030アジェンダ全文をはじめ、日本政府の「SDGs実施指針改訂版」が収録されており、資料としても高い価値を持っています。本書の売り上げは、SDGsジャパンの事業運営のために使われます。FFPJ常務理事の関根佳恵さん(愛知学院大学・教授)も寄稿しています。

*本書の内容はこちら⇒ 

7.本の紹介『小農経済が変える食と農ー労働と生命の再生産ー』

2024年10月に、ヤンダウェ・ファンデルプルフ著、池上甲一監訳『小農経済が変える食と農ー労働と生命の再生産ー』(明石書店)が出版されました。本書は世界の小農研究の第一人者であり「再小農化・新しい小農」の視角から農業と食の再構成を目指す研究者たちの主導的位置にあるファンデルプルフの著書を翻訳したものです。ロシアの小農を対象に独特の体系を作り上げたチャヤノフの理論に基づき、小農の特性と多様性と柔軟性を重視するその論理を、技ないし芸術性に注目して現代の視座から再評価。小農的農業が現代の行き詰った食と農のあり方を乗り越える鍵であることを示します。FFPJ常務理事の池上甲一さん(近畿大学名誉教授)が監訳。日本の農業を考え直すヒントがいっぱいです。

*本書の内容はこちら⇒ https://www.akashi.co.jp/book/b654853.html

◆つながりカフェテリア さまざまな団体の情報から

さまざまな団体の情報コーナーです。イベント予定などを掲載します。お問い合わせ等は各団体に直接お願いします。また、情報の提供も歓迎します。

1)農林水産政策研究所シンポジウム「EUと日本の環境保全型農業政策と持続可能な農業の実現」

【主催】農林水産政策研究所

【日時】12月18日(水)13:15ー16:25

【開催方法】会場参加(30名):農林水産政策研究所セミナー室(東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎第4号館9階)、オンライン(400名)

【内容】講演

  1. EUの新共通農業政策と環境保全型農業の可能性

   シモーネ・セヴェリーニ さん(イタリア トゥーシア大学教授)

  2. みどりの食料システム戦略について

   坂下 誠 さん(農水省みどりの食料システム戦略グループ)

  3. 地域における環境保全型農業の展開と経営発展

   上西良廣 さん(九州大学 大学院農学研究院)

  4. 環境保全型農業の推進と地域への総合的な影響評価フレームワーク

   國井大輔さん(農林水産政策研究所 農業・農村領域 主任研究官)

  *パネルディスカッション

【参加費】無料

環境保全型農業の先進地であるEUと日本の研究者、農水省担当者を招き、持

続可能な農業の実現に向けた政策や取組を紹介するとともに、地域や農業経営

に及ぼす影響を報告します。

*詳細はこちら⇒

(2)食の未来を考える連続講座・第3弾

【主催】日本消費者連盟、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン

【日程】ゲノム編集だけじゃない遺伝子操作食品が危険な理由

     12月20日(金)14:00ー15:30

     講師 天笠啓祐さん(科学ジャーナリスト)  

    国内製造って国産じゃないの?分かりにくい食品表示を読み解きます

     1月17日(金)14:00ー15:30

     講師 原英二さん(日消連・食の安全部会)

【開催方法】オンラインのみ

【参加費】一般各回500円、会員は無料

食の世界が大きく変わろうとしている今、改めて「食べものとは何なのか、どうあるべきか」という基本的な問題に立ち返り、食の未来について考える連続講座

(3)田んぼ2030プロジェクト ミニフォーラム「農地の生物多様性の回復を図る−農業基本計画改訂に向けた議論」

【主催】ラムサール・ネットワーク日本

【日時】12月20日(金)18:30ー20:10

【開催方法】オンライン(Zoomミーティング)

【内容】話題提供

    1.農地の生物多様性の未来を決める「食料・農業・農村基本計画」

     の重要性、計画に盛り込むべき事項、民間が果たす役割

     藤田卓さん(日本自然保護協会生物多様性保全部)

    2.「農業基本計画と環境対策」

     古谷愛子さん(オリザネット)

    質疑応答・意見交換

【参加費】無料(要申し込み)

  申し込みフォーム https://forms.gle/1Jt6XyrQQ2jEJ88x7

食料・農業・農村基本法に新たに追加された基本理念「環境と調和のとれた食料システムの確立」を実現のために、基本計画へ盛り込むべき事項や民間が果たす役割、農地の生物多様性を回復させるため方法や農業の現場への影響などについて、意見交換を行います。

*詳細はこちら⇒ https://tambo10.org/archives/2055

(4)農業懇話会「持続的な乳肉生産にむけた牛からのメタン削減」

【主催】大日本農会、農林水産奨励会

【日時】12月25日(水)14:00ー16:00

【開催方法】開場参加(50名)TKP新橋カンファレンスセンター

      (東京都千代田区内幸町1丁目3番1号幸ビルディング13階)

      オンライン(500名)

【講師】小池 聡さん(北海道大学大学院農学研究院教授)

【参加費】無料

メタンガスはCO2の約28倍の温室効果があり、牛のゲップよる影響は世界全体で約4%もあると言われています。また、牛のゲップは乳肉生産のための飼料エネルギーの損失にもつながっています。牛からのメタン産生を最小化する飼養管理技術と今後の展開を検討します。

(5)第3回「自伐型林業・移住マッチングフォーラム」

【主催】自伐型林業推進協会

【日時】1月25日(土)10:00ー16:30

【開催方法】会場(定員100名):銀座ユニーク貸会議室7丁目店

     (東京都中央区銀座7-13-15 銀座菊池ビル3階)

【内容】・参加自治体PR ・トークセッション(地域おこし協力隊トーク)

【参加費】無料

これから自伐型林業を実践しようとする林業希望者と、全国で自伐型林業を展開する市町村とが出会うイベントを開催します。

◎編集後記

12月7日に「国際有機農業映画祭」が開かれました。東京で毎年開かれている映画会で、有機農業や食の問題だけでなく、自伐型などの林業の取り組み、うんこと動物の死体からいのちの循環を考える映像など、様々な映画が上映されました。その中でも、2012年に市民団体の「アジア太平洋資料センター」(PARC)が作成した「お米が食べられなくなる日」は、10年後には日本でお米が食べられなくなるという危機感から記録した作品です。

*作品の内容はこちら⇒ https://parc-jp.org/product/okome/

当時、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉が始まる状況で作られましたが、期せずして今年夏、店頭からお米が消えました。また、最近の発表で、全国の酪農家がついに1万戸を切りました。お米の次は牛乳が消えるかもしれません。農業の担い手の減少、耕作放棄地の増加、異常な夏の暑さも加わり、厳しい時代が続きそうです。

FFPJでは2月下旬に食料・農業・農村基本計画に対し、課題を考える集会を開催する予定です。どれもすぐに解決できる問題ではありませんが、一歩でも前に進む道を探りたいと思います。

メルマガの今年の発行はこれで最後です。来年もよろしくお願いいたします。

良いお年を。(市)

[発行]家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン 事務局

    〒〒173-0025 東京都板橋区熊野町47-11 2F

      農民運動全国連合会気付

      電話 03-5966-2224

      メール info@ffpj.org

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