持続可能な未来へ【家族農林漁業マガジン第26号】を2025年2月6日に発行しました。
家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)とは
国連の呼びかけに呼応して、2019年6月に設立した市民団体です。国連「家族農業の10年」の行動計画を普及・啓発するため、国内における家族農林漁業を中心とした食料・農業・農村関連政策を提言し、国際社会が目指す「持続可能な社会の実現」に寄与する活動を行なっています。(FFPJはFamily Farming Platform Japanの略です)
メニューはこちらです。
1.2月21日にFFPJシンポ「2030年 農を担うのは誰かー基本計画を問う」
2.第35回講座「アグロエコロジーが拓く未来:『酪農危機』の打開に向けて」の記録を掲載
3.「令和の百姓一揆」 農業と食を守ろうと各地の農民や消費者集まる
2月18日に国会内集会、3月30日に都内でデモとトラクター行進
4.3月1、2日に「全国有機農業者と消費者の集い2025 in 東京」開催
5、2月22日に全国愛農会が「リジェネラティブ農業」テーマにイベント
6.本の紹介『みんなの有機農業技術大事典』3月10日に農文協から出版
◆ つながりカフェテリア さまざまな団体の情報から
(1)みどりGXラボ 第7回セミナー「気候変動にどう対応するか」
(2)「ゲノム編集魚は安全でサステナブルなのか?」
ーリージョナルフィッシュ社への公的支援のあり方を問う院内集会ー
(3)より豊かな学校給食をめざす 第44回京都集会
「食の営みが、からだをつくる 心をつくる」
(4)筑波大学で「アグロフォレストリー研究」のシンポ開催される
◎編集後記
1.2月21日にFFPJシンポ「2030年 農を担うのは誰かー基本計画を問う」
家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)は、2月21日に衆議院第2議員会館第1会議室(オンライン併用)で、シンポジウムを開催し、食料・農業・農村基本計画について提言を行うとともに、新規就農者、就農支援団体、集落営農、JAグループなど生産に携わる人々による農の担い手についての報告、ディスカッションを行います。政府は3月末に「食料・農業・農村基本計画」を策定します。農水省は、2030年の農業の担い手は54万と、20年から半減し、約3割の農地が利用されなくなる見通しを示しました。担い手をどう確保するかは、農業を維持する上で極めて重大な課題です。新規就農者の育成、家族農業など多様な農業の維持、集落営農、都市住民との関わりなど様々な形で担い手を確保することが重要です。シンポジウムでは各地の取り組み報告から、担い手をどう作り、何が必要かを討議し、今後の政策を考えます。多くの皆さんの参加をお待ちしています。
タイトル:2030年 農を担うのは誰かー基本計画を問う
主催:家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)
日時:2月21日(金)14時30分〜17時
場所:衆議院第2議員会館第1会議室(オンライン(Zoom)も併用)
最寄駅:地下鉄「永田町駅」「国会議事堂前駅」
参加費:無料
申し込み締め切り:2月19日(水)
内容:基本計画に対してFFPJが求めること(提言)
各地からの報告・提起
全体討論
まとめ
各地からの報告・提起者
◎新田弦五さん(福島県二本松市の新規就農者)
根本敬さん(あだたら食農schoolfarm責任者)
schoolfarmを立ち上げて新規就農者や担い手を育成、実際の就農体験も語る。
◎川崎佑子さん(大阪府羽曳野市の農業者)
農業ボランティアや若手農家グループ立ち上げなどで小さな農業存続めざす。
◎鎌谷一也さん(農事組合法人八頭船岡農場組合長・鳥取)
集落営農を進め耕作放棄地を出さず若者の雇用など担い手確保に奔走する。
◎田中宏昌さん(JAやさと有機栽培部会長・茨城)
JAで有機農業の就農希望者の研修制度を作り、指導や就農斡旋などを行う。
◎詳細やお申し込み方法は以下のFFPJのウェブサイトをご覧ください。
ウェブサイトの下方に「参加お申し込み」(緑地に白抜き文字)とあります
ので、クリックしてお申し込みください。
2.第35回講座「アグロエコロジーが拓く未来:『酪農危機』の打開に向けて」の記録を掲載
FFPJ第35回オンライン講座は、酪農シリーズ第1弾として、「アグロエコロジーが拓く未来:『酪農危機』の打開に向けて」と題して、北海道大学農学研究院の清水池義治准教授を講師に迎え、12月20日に開催されました。過去40年で最も厳しいといわれる酪農危機の特徴や背景の分析を通じて日本の酪農が直面する課題を明らかにし、転換の方向性や社会が果たす役割などについて提起がありました。
講座の記録や動画は下記からご覧ください。
3.「令和の百姓一揆」 農業と食を守ろうと各地の農民や消費者集まる
2月18日に国会内集会、3月30日に都内でデモとトラクター行進
農業と食、子どもたちの健康を守るために、農政に生産者、消費者の声を反映させまよう!と、各地の生産者や消費者が集まり、「令和の百姓一揆」と銘打ち、2月、3月に行動が予定されています。個人参加の実行委員会が主催。呼びかけでは「もうこれ以上農業を続けられない状況にある。今が正念場だ。食を守り、農・漁業を守るために今一人一人が立ち上がらなければならない時が来た。国内の農畜水産業を守り、食料自給率向上にむけて踏み出す大きな機会と捉え、多くの生産者や消費者の声を取りまとめて、議員、農水省の方々と意見交換会を開催し、生産者や消費者の意見を農政運営にきちんと反映させていきましょう」と訴えています。2月18日に国会議員会館で集会を開き、各地域からの農業生産者からの状況報告や農林水産省からの説明、国会議員との意見交換などが行われます。また、3月30日(日)に都内でデモおよびトラクター行進を予定しています。
国会内集会
日時:2月18日(火)16時?18時30分
場所:衆議院第2議員会館第1会議室、オンラインも併用
内容:開会挨拶、趣旨説明
各地域の農業生産者からの状況報告
水田、野菜、果樹、畜産、酪農、有機農業の現場から
農林水産省より「食料・農業・農村基本計画」の説明
国会議員の意見表明と意見交換
まとめ、今後の行動提起
参加費:無料
主催:令和の百姓一揆実行委員会(実行委員長・菅野芳秀 山形県長井市農民)
◎詳細や参加申し込み方法は以下のサイトをご覧ください。
実行委員会のホームページは以下です(フェースブック)。
「令和の百姓一揆」のプロモーション動画は以下で見られます。
4.3月1、2日に「全国有機農業者と消費者の集い2025 in 東京」開催
FFPJの加盟団体の日本有機農業研究会が全国大会として、毎年開催している「全国有機農業者と消費者の集い」は、今年は東京で3月1日(土)、2日(日)に開催されます。3月1日は渋谷区「国立オリンピック記念青少年総合センター」で全体会や分科会、懇親会などが行われます。また、2日は足立区の「都市農業公園」で、視察と体験、公園解説、種苗交換会などが行われます。会員以外の方も自由に参加出来ます。参加申し込み締切は2月10日まで。参加費は事前支払いです。
◎大会の詳細は以下のホームページをご覧ください。
5、2月22日に全国愛農会が「リジェネラティブ農業」テーマにイベント
FFPJの加盟団体の「全国愛農会」が2月22日(土)に、リジェネラティブ農業をテーマにしたイベントを開催します。リジェネラティブ農業とは、「不耕起・省耕起」「草や有機物による地表の被覆」「生きた植物の根が伸びる土壌」「生物多様性」「家畜の集約放牧」といった原則を取り入れることで土中微生物を数・種類ともに増やし、土に生きる生命が互いに共生・協同するほんらいの関係を取り戻していく農の在り方です。それにより病害虫に強い健康な農作物が育ち、空気中の炭素も土中に戻り、土中には団粒構造が作られ、炭素を土中に戻す過程で水も蓄えられるため干ばつにも強い畑が実現します。また、不耕起・省耕起、生き物どうしの共生を促すことによる資材投入量の削減などから、省力・コストの低減にもつながります。総会イベントでは、その原理・原則をお話していただくほか、北海道オホーツクで大地再生農業を実践する方の報告もあります。会員以外の方も自由に参加出来ます。
参加申し込み締切は2月16日まで(オンライン参加)。
◎詳細は以下の愛農会のホームページをご覧ください。
6.本の紹介『みんなの有機農業技術大事典』3月10日に農文協から出版
持続可能な農業として期待が寄せられる有機農業の技術の集大成として『みんなの有機農業技術大事典』が3月10日、農文協から出版になります。「共通技術編」では、有機農業の歴史や世界での広がり、地球温暖化防止や生物多様性維持に果たす役割のほか、緑肥や天敵利用、不耕起栽培や微生物活用などの基本技術を紹介。「作物別編」では、水田や畑作物、野菜や花、果樹や茶、畜産の技術を品目ごとに網羅しています。執筆者約300人、農家約150人が登場。FFPJ常務理事の久保田裕子さん、池上甲一さん、関根佳恵さんも執筆しています。
*本書の詳細および注文はこちらから⇒
また、発刊記念講座が3月12日に行われます。
日時:3月12日(水)15:00ー17:00
会場:農文協戸田事務所(埼玉県戸田市上戸田2-2-2)・定員20名
オンライン併用
内容:対談:吉田太郎さん(農業ジャーナリスト)、魚住道郎さん(農家・茨
城県石岡市)
参加費:1,000円
◆ つながりカフェテリア さまざまな団体の情報から
さまざまな団体の情報コーナーです。イベント予定などを掲載します。お問い合わせ等は各団体に直接お願いします。また、情報の提供も歓迎します。
(1)みどりGXラボ 第7回セミナー「気候変動にどう対応するか」
主催: 日本農業新聞
日時: 2月21日(金)13:30ー16:00
方法: オンライン(Zoomウェビナー)
内容:基調講演 西森基貴さん(農研機構 農業環境研究部門 気候変動適応策研究領域長)
事例報告 JA新潟かがやき(水稲の高温対策について)
参加費: 参加は会員限定で無料。会員でない方は参加申し込みと同時に入会
近年、異常気象の頻発や温暖化による作物の生育不良、病害虫の発生リスクの増加など、気候変動が農業生産に深刻な影響を及ぼしています。農業者は気候変動の影響を緩和する「適応策」も実施する必要に迫られています。セミナーでは、農業分野でこれから取り組むべき適応策を探り、産地がどのように対応しているかを報告します。
(2)「ゲノム編集魚は安全でサステナブルなのか?」ーリージョナルフィッシュ社への公的支援のあり方を問う院内集会ー
主催: 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン、OKシードプロジェクト、日本消費者連盟
日時: 2月21日(金)14:00ー16:00
方法: 会場:衆議院第一議員会館第5会議室、オンライン(Zoom)併用
内容: *ゲノム編集魚の科学的問題点について
河田昌東さん(分子生物学者)
*リージョナルフィッシュ社の市民対応の問題点について
井口Nocoさん(宮津∞麦のね宙ふねっとワーク 共同代表)
*政府関係省庁担当者との質疑応答
参加費: 無料(カンパ大歓迎)
ゲノム編集によって遺伝子の一部を破壊することで通常よりも大きく成長するマダイ、トラフグ、ヒラメが京都府宮津市など国内各地で養殖され、国や地方自治体はこの事業を行うリージョナルフィッシュ社を全面的に支援しています。そこで「ゲノム編集魚が本当に安全でサステナブルと言い得るのか」を検証し、政府・農林水産省、経済産業省、消費者庁などに対して、市民の声を伝えるために、集会を開催します。
*詳細はこちら⇒ https://nishoren.net/flash/20884
(3)より豊かな学校給食をめざす 第44回京都集会「食の営みが、からだをつくる 心をつくる」
主催: より豊かな学校給食をめざす京都連絡会
日時: 2月22日(土) 全体会10:00〜12:00 分科会13:00〜15:30
場所: 京都テルサ東館2階(京都市南区東九条下殿田町70)
内容: *記念講演
講師:長谷川敏郎さん(農民運動全国連合会会長)
*分科会
第1分科会「保育所・学校給食の充実と食育」
第2分科会「給食要求を実現する父母・地域のとりくみ」
参加費: 無料(資料代500円)
地球環境は悪化し、食料自給率は低下の一途、食の安全性への不安も大きくなっています。こうしたなかで改定された「食料・農業・農村基本法」は、私たちに何をもたらすのか。農業や食生活の現状と課題について分かりやすくお話ししていただきます。学校給食の役割や可能性についてもお話ししていただきます。
(4)筑波大学で「アグロフォレストリー研究」のシンポ開催される
アグロフォレストリーが世界各地で環境保全型農業として注目されるなか、筑波大学で1月24日にシンポジウム「アグロフォレストリー研究の射程」が開催され、FFPJ常務理事の斎藤博嗣さん(一反百姓「じねん道」斎藤ファミリー農園)も報告者として参加しました。
◎編集後記
3月末に出される「食料・農業・農村基本計画」改定に向け、いま、論議が盛んになっています。FFPJも2月21日に国会議員会館で集会を開きます。ぜひご参加を。
そうした中、これまでに出された基本計画案の柱立てを見ると、日本の食料供給の次に「輸出の促進」が出てきます。輸出拡大による「海外から稼ぐ力」の強化が謳われています。その後に「国民一人一人の食料安全保障・持続可能な食料システム」「環境と調和のとれた食料システムの確立・多面的機能の発揮」「農村振興」の順になっています。
どうも順番が違うのではないでしょうか。海外に輸出できるのはひとにぎりだけ。まずは国内で安定して食料が供給できるかが大事でしょう。今後変更もあるかもしれませんが、パブリックコメントなども使って私達の要求を突きつけていきましょう。(市)
[発行]家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン 事務局
〒173-0025 東京都板橋区熊野町47-11 2F
農民運動全国連合会気付
電話 03-5966-2224
メール info@ffpj.org
▼ このメルマガに関するご意見・ご要望、または、転載を希望する場合は、
上記の電話またはホームページのお問い合わせからお願いします。